日本政府とフィリピン国との二国間取り決め

フィリピンとの協力覚書

厚生労働省のHPより抜粋

 

平成29年11月21日、 加藤厚生労働大臣は、 フィリピンのシルベストル・ベリヨ大臣 と、「日本国法務省・外務省・厚生労働省とフィリピン労働雇用省との間の技能実習に関する協力覚書(MOC)」の署名を行いました。 今回の覚書は、技能実習生の送出しや受入れに関する約束を定めることにより、技能実習制度を通じて日本からフィリピンへの技能等の移転を適正かつ円滑に行い、国際協力を推進することを目的としています。 覚書のポイントは、以下のとおりです。

 


【協力覚書 の主な内容】

 

(日本側)

  • 技能実習法の基準に基づき、監理団体の許可・技能実習計画の認定を行う。
  • フィリピン側が認定した送出機関及び認定を取り消した送出機関を日本で公表し、フィリピン側が認定した送出機関からの技能実習生のみを受け入れる。
  • 監理団体・実習実施者に対して、許認可の取消や改善命令を行った場合は、その結果をフィリピン側に通知する。

(フィリピン側)

  • 本協力覚書の認定基準に基づき、送出機関の認定を適切に行う。
    • 制度の趣旨を理解して技能実習を行おうとする者を選定すること
    • 帰国した者が技能等を活用できるよう就職先のあっせんその他の支援を行うこと
    • 保証金の徴収,違約金契約をしないこと
    • 技能実習生に対する人権侵害をしないこと
  • 送出機関の認定を取り消したときは、日本側に通知する。
  • 日本側から不適切な送出機関についての通知を受けたときは、調査を行い適切に対処する。またその結果を日本側に通知する。

(共通の事項)           

  • 技能実習制度の運用について、随時意見交換を行う。

【日本国法務省、外務省、厚生労働省とフィリピン共和国労働雇用省との間の技能実習制度に関する協力覚書】(仮訳)

 

日本国法務省、外務省、厚生労働省(以下「日本の省」という。)及びフィリピン共和国労働雇用省(以下「フィリピンの省」という。)は、技能実習制度が、技能、技術及び知識(以下「技能等」という。)をフィリピンに移転すること、 フィリピンの経済の発展を担う人材育成に寄与すること、ひいては、国際協力を推進することを目的とするものであることについて見解を共有した。この見解に基づき、日本の省とフィリピンの省は、技能実習制度を適正に推進するため、次のとおり決定した。 

 

(目的) 

1 この覚書は、日本の省及びフィリピンの省との間で技能実習生の送出し及び受入れに関する約束を定めることにより、技能実習制度を通じて日本国からフィリピンへの技能等の移転を適正かつ円滑に行い、ひいては国際協力を推進することを目的とする。 

 

(日本の省の約束) 

2 日本の省は、適当と認められる場合には在フィリピン日本国大使館と協力しつつ、日本国の関係法令に従い、フィリピンからの技能実習生の受入れに関して次の約束を行う。 

  1. 技能実習生を日本国に送り出すことを意図する送出機関(以下「送出機関」という。)であって、別添1に記載する送出機関の認定基準(以下「認定基準」という。)を満たすとしてフィリピンの省が認定したもの(以下「認定送出機関」という。)に係る情報を日本の省がフィリピンの省から受領した場合は、当該情報を日本国において公表すること。 
  2. この覚書に基づく協力を開始した後は、フィリピンの技能実習生については、認定送出機関が送り出した技能実習生のみを受け入れること。ただし、日本の省は、認定送出機関から送り出される技能実習生であっても、当該技能実習生に係る技能実習計画が認定されない場合等には、当該技能実習生を受け入れないことができる。 
  3. この覚書に基づく協力を開始した後は、フィリピンの公的機関による送出機関の推薦状を、フィリピンの省による送出機関の認定をもって代えることとすること。 
  4. この覚書に基づく協力を開始した後は、フィリピンの省が別添3の証明書を日本の省に発行することを条件として、認定送出機関から送り出される技能実習生の推薦状を不要とすること。 
  5. 日本の省が、フィリピンの省から認定送出機関の認定の取消しの情報を受領した場合には、当該情報を日本国において公表すること。 
  6. 別添4に記載する監理団体の許可基準及び別添5に記載する技能実習計画の認定基準に従って、適切な方法で許可及び認定に関する事務を行うこと。 
  7. 監理団体が別添6に記載する項目のいずれかに該当する行為を行った場合は、適切な措置(許可の取消しを含む。)をとること。 
  8. 別添7に記載する項目のいずれかに該当する場合は、適切な措置(技能実習計画の認定の取消しを含む。)をとること。 
  9. 別添8に記載する技能実習生の待遇基準について、必要な書類の提出を求めるとともに、待遇の実態が提出された書類に記載された内容と異なる場合には、適切な措置(技能実習計画の認定の取消しを含む。)をとること。 
  10. 日本の省が、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(以下「法」という。)に従い、監理団体に対して、許可の取消し若しくは業務停止命令及び改善命令による行政措置をとった場合、又は、同法に従い、実習実施者に対して、技能実習計画の認定取消し若しくは改善命令による行政措置をとった場合は、フィリピンの省にその結果を通知 すること。 
  11. 日本の省がフィリピンの省から技能実習制度の運営の状況、当該制度の見直し、又は当該制度の対象職種の追加に関する照会を受けた場合には、必要な情報を提供すること。 

 

(フィリピンの省の約束) 

3 フィリピンの省は、フィリピンの関係法令に従い、技能実習生の送出しに関して次の約束を行う。 

  1. 技能実習生の団体監理型技能実習への申込みを適切に日本国の監理団体に取り次ぐことができるものとして公的機関が行う送出機関の推薦(法施 行規則第 25 条第1号に規定する推薦。)は、フィリピンの省以外の公的機関には行わせないこと。 
  2. 送出機関について、認定基準を満たしているかどうかの審査を行い、当該機関が認定基準を満たしていると認める場合には、その認定を与えること。 
  3. 前項に定める認定を行ったときは、当該認定送出機関の名称その他の情報を公表し、当該認定送出機関の情報を別添2に記載する様式により日本の省に提供すること。 
  4. フィリピンの省が、認定送出機関が認定基準に適合しない行為その他の適切でない行為を行ったのではないかとの通報を日本の省から受けた場合には、当該認定送出機関を調査し、必要な指導及び監督を行い、その結果を日本の省に報告すること。 
  5. フィリピンの認定送出機関に対し、技能実習生を適切な方法で選定し、及び送り出すために指導し、フィリピンの省が、認定送出機関が認定基準を満たさなくなったと認める場合には、認定を取り消し、その結果を日本の省に通報すること。 
  6. 日本の省が実施する技能実習生が修得した技能等の帰国後の活用状況に関する調査について、元技能実習生からできる限り多くの正確な回答が得られるよう認定送出機関を指導すること等により協力すること。
  7. 日本の省から照会を受けた場合には、認定送出機関に対する指導及び監督に関する実績、送出機関の認定に関する実績、フィリピンへの技能移転の需要のある職種に関する事項等について、日本の省に必要な情報を提供すること。 

(連絡部局の指定) 

4 日本の省及びフィリピンの省は、この覚書に基づく活動を効果的に実施するため、両国の連絡及び調整に係る連絡窓口を次のとおりそれぞれ指定する。

  1. 日本については、外国人技能実習機構国際部。ただし、この覚書の修正及び補足並びにこの覚書に基づく協力の終了の希望についての窓口は、法務省入国管理局入国在留課及び厚生労働省人材開発統括官付海外人材育成担当参事官室。 
  2. フィリピンについては、処理及び認定に関しては海外雇用庁。帰国する 技能実習生の社会復帰に関するものについては、海外労働福祉庁の下の国家海外フィリピン人労働者社会復帰支援センター。フィリピンの省は、この覚書に係る業務の一部を、在日本フィリピン海外労働事務所に委託することができる。 

(問題の解決) 

5 日本の省及びフィリピンの省は、この覚書に基づく活動の実施又は当該実施に関連して生じる問題(技能実習生の失踪の発生、不法残留の技能実習生の送還等を含む。)について協議し、適当な場合には外交ルートを通じ、友好的に、かつ、それぞれの国における関係する省庁と緊密に協力し解決する。 

 

(法令の範囲内の実施) 

6 この覚書に基づく協力は、それぞれの国において効力を有する法令の範囲内で行われる。日本の省又はフィリピンの省のいずれかは、他方の省の書面による同意なしに、この覚書の枠組みにおける協力及び情報交換を通じて他方の省から取得した秘密の情報を公開しない。 

 

(情報共有/協議) 

7 日本の省及びフィリピンの省は、この覚書に基づく技能実習制度に関する協力のために、定期的に協議を行い、及び、情報を交換する。日本の省及びフィリピン省は必要に応じ随時協議する。日本の省及びフィリピンの省は、適当な場合には、外交ルートを通じて協議を行う。 外国人技能実習機構と在日本フィリピン共和国大使館は、技能実習制度の 実施について連絡する。 

 

(その他) 

8 この覚書は2017年11月21日に日本国東京において署名された。この覚書に基づく協力は、2017年11月21日から開始する。

 

 

この覚書に 基づく協力の開始により、技能実習制度に係る日本の省とフィリピンの省の間の協力は、この覚書の下で行うものとする。 この覚書に基づく協力は、2017年11月21日から5年続くものとし、日本の省又はフィリピンの省のいずれかから、終了する日の60日前までに延長しないことを希望する旨の書面による通告がない限り、自動的に5年間延長される。日本の省又はフィリピンの省のいずれかがこの覚書に基づく協力を上述の5年の期間が満了する前に終了することを希望する場合には、終了することを希望する日の90日前までに他方の省に対し書面によりその意図を通告することにより終了する。この覚書の内容は、日本の省及びフィリピンの省の双方の書面による同意により、必要に応じて修正又は補足される。