来日する外国人向けの日本語教育(国内)について

以下、毎日新聞 社説 【就労外国人 日本語教育 政府の態勢は心もとない】より抜粋。


 

外国人労働者の受け入れ拡大に伴い、最も重視しなければならないのが日本語教育だ。日常会話など基本的な日本語能力を身につけなければ、日本社会で生活するのは難しい。ところが、入管法改正案は、日本語教育を法律事項として規定していない。今後その取り組みについて法務省令で定めようとしているが、政府の態勢は心もとない。

 

一定の技能があれば業務に就ける「特定技能1号」は、日常会話以上の日本語能力が求められる。ただし、3年以上の経験を経た技能実習生は無試験で移行できる。政府は1号には多くの技能実習生が移行すると見込んでいる。技能実習の過程で日本語を習得させればいい。そうすれば日本語教育にかけるコストも最小限に抑えられる--。そんな本音がのぞくような政府の対応だ。技術移転を名目としながら、実際には低賃金、長時間の労働を強いる技能実習制度の問題は大きい。その技能実習制度の下での日本語講習が充実しているとはとても言えない。日本語学校から教師を派遣してもらう都合がつかなければ、受け入れに当たる業界の監理団体の職員が教えることがあるという。国土交通省が建設分野の実習生に聞き取りした調査では、日本語のコミュニケーション能力が問題視され、現場に入れなかった例もあった。

 

1号の資格を得れば、5年間という長期の在留が認められる。やはり専門的な教育機関の活用が欠かせない。その中核になるのが、全国に700校近くある日本語学校だろう。技能実習生や留学生が増えるのと軌を一にして、日本語学校は急増中だ。ただし、日本語教師は総じて給料が安く離職率が高い。全体として不足していると言われている。政府は、日本語教師の資格を公的に認定することで、教師の質の向上や定着を図る方針だ。だが、それだけでは十分ではない。外国人に対する日本語教育は、これまで地方自治体や、地域で日本語教室を開くNPO任せで、こうしたところへの支援は乏しかった。

 

政府は必要な財政措置を取り、日本語教育を下支えする体制を構築すべきだ。受け入れの拡大は、それとセットで行う必要がある。


 

私もボランティアで、在日外国人向けの日本語教室を営んできた経験がある。これまでは、外国人向け日本語教育という市場(マーケット)がなかったため、このようにボランティア主体で行ってきた。これからは、来日する多くの外国人向けに早急に日常生活が困らないレベルまでの日本語教育が必須になる。突然、外国人向け日本語教育の市場が形成されたのだ。 やってみるとわかるが、日本語を勉強している外国人の質問に簡単に答えられる日本人は、ほぼいないだろう。日本語を知っているのと教えることができるスキルは、全く違うものだ。日本語講師の育成も合わせて急務であるとともに、彼らの待遇や処遇の改善も必要である。また、在日外国人の潜在力を生かすのも一つの手段だと思う。彼らは、長い間、日本で生活しているため、日本の慣習や文化への理解もある。彼らに日本語講師として活躍してもらうのもいいと思う。 いずれにしても「外国人に日本語教育」は、政府や地方自治体などの行政、地域社会が一体となって取組む必要がある。